はじめに
こんにちは。プログラマ歴10年の tumo.jp です。
個人的な話になりますが、私は子供の頃、基本的にお菓子禁止の家庭で育ちました。
「晩ごはんが食べられなくなるでしょ! 塩分も糖分も多い! 病気になるわ!」
いろいろと不満はありましたが、小学生の頃というのは親の方針は絶対です。仕方なく少年 tumo.jp は粛々とその指示に従い、小腹が減った時は海苔を食べたり、塩コンブをつまんだりして毎日を過ごしていました。
そんな育ち方をしたせいか、実は大人になってからも、私にはあまり間食をするという習慣がありません。
時々「ポテトチップスが食べたい!」となって衝動的にコンビニへ行くことはありますが、それもまあ年に3回くらいの頻度です。
土曜日の午後3時にはお茶とおやつを用意する、なんて習慣もありません。
しかし、そんな tumo.jp も常備しているお菓子が1つあります。
それが「チョコレート」です。
これは個人の主観が多分に含まれた意見ではありますが、はっきり言ってプログラマとチョコレートというのはとても相性が良いです。
どれくらい相性が良いかというと、透明感のある新人女優とポカリスエットのコマーシャルくらいの相性の良さです。
想像以上の未来へ ラララ・ラーララ ♪ です。(少し古いか......)
というわけで、本日はそんな「プログラマとチョコレートの関係性」について考察していきたいと思います。
コンテンツ
1. 出会い
チョコレートとの出会いは、私がプログラマになって(= 就職して)2年程が経った頃のことでした。
季節は冬。
あまりちゃんと覚えてはいないですが、たしか自宅で夜中までコーディングしていて、ふとお腹が減った時のことだったと思います。
感覚的には「一面銀世界の雪山を3日ほど1人で歩き続けた」ような状態です。誰とも話さず、飲み食いも最低限、身も心も修行僧です。
そんな時、目の前に小さな<小屋>が現れました。
外壁は丸太造り。天井は三角屋根。窓からは暖炉の明かりがゆらゆらと揺れていて、中をのぞくとキッチンのケトルから蒸気が湧き出ています。温かなコーヒーの香りが立ち上がってくるようです。
思わず入口の戸を叩くと、小屋の主人は心よく私を受け入れてくれました。
そこには包み込むような優しさと、あふれ出る愛情がありました。
私とチョコレートの出会いは、そんな感じでした。
2. なぜチョコレートか
まずガムが選択肢から外れます。
ガムって最終的に食べられないし、紙に包んで捨てる面倒さがあります。
自席でクチャクチャ食べている時に、急に偉い人に話しかけられて気まずい思いをするリスクもあります。
次にキャンディが外れます。
キャンディは一度口に入れたが最後、その後の一定時間、かなりの制約を受けてしまいます。
プログラマというのは、基本的に制約というものを嫌います。
クッキーはどうでしょうか?
個人的には口内の水分を奪われる点が気になります。
紅茶とセットというイメージなので、準備の手間がかかる分、気軽に手を出しづらい印象があります。
またチップスなどのスナック類は人気です。
しかしスナック系は主張が強い点が気になります。優しさよりも楽しさ、GentleよりFunの食べ物なのです。
封を開けた瞬間から、原則として最後まで食べきることを強制される点も気がかりです。
こうしてみると、チョコレートはパーフェクトです。
冷蔵庫に放り込んでおけば、長期的に保存がききます。好きな時に好きな量食べられます。単体でもOKですし、ミルクやコーヒーとの組み合わせも抜群です。
その味にはいつも一定の品があり、同時に慈愛と包容力に満ちています。
以上が「私がチョコレートを選ぶ理由」です。
3. プログラマとの相性
プログラマというのは頭を使う職業だから糖分を摂取できるチョコレートは理に適っている、みたいな話は、わざわざ私が持ち出さなくても誰もがわかっていると思います。
ここではもう少しつっこんだ観点から、プログラマとチョコレートの相性を見ていきたいと思います。
プログラミング言語「Perl」の開発者であるラリー・ウォール氏は、プログラマの三大美徳として「怠惰・短気・傲慢」の3つを提唱しました。
せっかくなのでその解釈を簡単にご紹介すると、以下の通りです。
- 怠惰 Laziness: 無駄な作業を極力減らそうという精神。未来に楽できるように考えろ、に近い。
(注:会社サボって家でゲームしようという意味ではありません) - 短気 Impatience: PCの前でじっと待つなという教え。システムの処理が遅いなら速くする方法を探せ、という感じ。
(注:すぐにちゃぶ台を引っくり返すという意味ではありません) - 傲慢 Hubris: 自分の仕事にプライドを持てという意識。誰も文句が言えないくらい自分がパーフェクトだと思うプログラムを書け、という精神。
(注:部下の話を聞かないワンマン部長になれという意味ではありません)
それでは、このプログラマの三大美徳とチョコレートがいかにマッチしているかを見てみたいと思います。
- 怠惰: チョコレートを食べるのに準備はいらない。将来口の中の水分を補給できるよう予めクッキーのための紅茶を用意したり、スマートな飲食ができるようチップス用のお箸(はし)を用意する必要がない(※)。 つまり、チョコレートというのはその成り立ちからして既に楽に食べられることを保証されたお菓子なのである。
- 短気: 摂取時間を拘束されない。ガムやキャンディのように口の中に長々と居座ったり、チップスのように定められた量を食べきることを強制されたりしない。 急ぎの時は10秒チャージも可能。一方でゆっくり味わいたいのであれば、その時の気分で30秒~1分程度、味わいを持続させることもできる。
- 傲慢: 好きな時に食べ始めて、好きな時に食べ終わることができる。3つ食べて、残りの9つは冷蔵庫に放り込んでおくということが可能。 常に自分がパーフェクトだと思う量だけを摂取することができる。
プログラマにはチップスを食べる時に箸を使わなければならないという決まりがあります。なぜかって? 手で食べたらキーボードが汚れるからです。
以上、私が「プログラマとチョコレートは相性が良い」と考える理由でした。
4. 付き合い方(あるいは距離感)
友人にせよ恋人にせよ、付き合い方というのはとても大事です。
近すぎても飽きてしまうし、遠すぎても忘れられてしまいます。
私はチョコレートのことをとても大切な恋人のように想っているので、彼女との距離感にはとても気を配っています。
特にいつも近くにいすぎてはダメです。(要は食べすぎ注意という意味)
私がチョコレートのことを飽きてしまうのも嫌だし、チョコレートに私が飽きられてしまうのも耐えられません。
そういうわけで、チョコレートには少しいじわるかもしれませんが、「あ、ちょっと食べようかな」くらいの気持ちの時は、極力食べないようにしています。
特別な空腹感やこれといった理由がなければ、1週間でも2週間でも、1か月でも2か月でも、決して口にはしません。
一方で「今日は特に仕事頑張ったな」とか「今週は本当にベストのパフォーマンスを出したぞ」などと思える時は、遠慮なく冷蔵庫の扉を開きます。
そんな時、チョコレートはいつも優しく私を待ってくれています。
我々は笑顔で抱擁を交わし、久々の再会を噛みしめます。
こういう距離感を大事にすることで、二人の関係は長く、そして深く続いていくのだと、tumo.jp は考えているのです。
さいごに
私がチョコレートを食べて一番幸せを感じるシチュエーションは、やはり冬の深夜です。
前回のチョコレートからひと月くらい間隔が空いているとなおよしです。
時刻は夜中の3時頃。夕食からはもう何時間も経過していて、お腹もへり、身体が芯から糖分を欲しているような状態が理想です。
冷蔵庫をばかっと開けて、奥からキンキンに冷えたチョコレートを取り出します。
紙包みを解いて、パクっと口に入れ、舌の上でじっくり転がします。すると品のある甘みがふわっと広がって、カカオの香りが口いっぱいに広がり、幸福感が脳のてっぺんまで届いていきます。
「これまでよく頑張ったね」とチョコレートが言います。
「ありがとう。明日からもまたがんばるよ」
以上、プログラマとチョコレートでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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